犠牲者は棚岡徹也という男性で、俺のマンションから二十メートルぐらいの場所にあるマンション街の部屋の一室で体に刃物を突き刺され、死亡していたらしい。


 俺は棚岡の死んだときの、目が飛び出したようなおぞましい映像がネット上のその手のサイトにアップされているのを見て、吐き気がしてきた。


 あまりにも気味が悪いからである。


 俺はコーヒーを一口啜り、更に棚岡徹也殺害事件を検証し続けた。


 いつの間にか業務時間に入っていて、俺はまた上の人間たちから頼まれている企画書を打つため、ネットを閉じる。


 そしてドキュメントを開き、書き掛けていた企画書を打ち始めた。


 カツカツカツという音がして、書類が出来上がっていく。


 俺自身、この手の作業は手馴れていたので、無言でキーを叩き続ける。


 さすがに右手が腱鞘炎になっているのは、自分でも分かっていた。


 俺は午後二時過ぎに企画書を一つ打ち終わり、メールで添付して、部の主任宛に送った。


 一仕事終わったのでホッとし、秘書課にいる里夏宛にメールを打つ。