そしてそれは、突然目の前の木影から姿を現した。
真っ黒な色をした、布のようにヒラヒラと薄い巨大な影。
鋭い目と裂けた口が赤く不気味に光り、奇妙な高い声を上げながらフェイレイに襲い掛かってくる。
帯剣していなかったフェイレイは、咄嗟に拳を握り締めた。
だがここはリディルの世界なのだということを思い出す。
ここはリディルが創り上げた世界。
だとしたら、この魔物のようなものもリディルが創り出したということだろうか。それを攻撃しても大丈夫なのだろうか。
一瞬では判断出来ず、フェイレイは逃げることを選択する。
襲い掛かってくる影をヒラリとかわし、光の指し示す方向へ一直線に走る。
影は追ってきた。
高い声で笑いながら、物凄いスピードで迫ってくる。
今にも飛び掛られそうなほどに迫られたとき、足元が急に柔らかくなった。
「っ!?」
片足を取られ、ばしゃん、と泥水のようなところに倒れ込んだ。魔物の高い笑い声が、頭上を通り過ぎていく。
それを目で追っていると、身体がズブズブと沈み始めた。
底なし沼だ。
このままでは引きずり込まれると、手足を動かして脱出を試みる。
すると沼の底から白い手がにゅるりと出てきて、フェイレイの手足や服を掴んで沼底に引きずり込もうとしてきた。
「このっ……」
殴ることも出来ないので、身体を捩って振り払おうとする。しかし白い手の力は凄まじかった。
あっという間に首元まで沼に浸かってしまう。
真っ黒な色をした、布のようにヒラヒラと薄い巨大な影。
鋭い目と裂けた口が赤く不気味に光り、奇妙な高い声を上げながらフェイレイに襲い掛かってくる。
帯剣していなかったフェイレイは、咄嗟に拳を握り締めた。
だがここはリディルの世界なのだということを思い出す。
ここはリディルが創り上げた世界。
だとしたら、この魔物のようなものもリディルが創り出したということだろうか。それを攻撃しても大丈夫なのだろうか。
一瞬では判断出来ず、フェイレイは逃げることを選択する。
襲い掛かってくる影をヒラリとかわし、光の指し示す方向へ一直線に走る。
影は追ってきた。
高い声で笑いながら、物凄いスピードで迫ってくる。
今にも飛び掛られそうなほどに迫られたとき、足元が急に柔らかくなった。
「っ!?」
片足を取られ、ばしゃん、と泥水のようなところに倒れ込んだ。魔物の高い笑い声が、頭上を通り過ぎていく。
それを目で追っていると、身体がズブズブと沈み始めた。
底なし沼だ。
このままでは引きずり込まれると、手足を動かして脱出を試みる。
すると沼の底から白い手がにゅるりと出てきて、フェイレイの手足や服を掴んで沼底に引きずり込もうとしてきた。
「このっ……」
殴ることも出来ないので、身体を捩って振り払おうとする。しかし白い手の力は凄まじかった。
あっという間に首元まで沼に浸かってしまう。


