Faylay~しあわせの魔法

「……『哀しみの塔』は、本当にあるんですか?」

フェイレイの質問に、アライエル王は軽く首を振った。

「それは私にも分からない。だが……そこにいると言い切った人物がいる」

「えっ!?」

「それは誰ですか!?」

フェイレイとヴァンガードが身を乗り出す。

アライエル王は静かに答えた。

「『勇者伝説』の、著者だ」

「……それは、アライエルの人ではないんですか?」

「いや、違う」

「じゃあ……」

「……我が国は確かに、己の保身のために『勇者伝説』を利用した。それを赦されることだとは思っていない。けれど、それだけではなかった。半分は、その著者の意志を尊重したのだと言われている」

著者の本当の意図がなんだったのか、今となっては分からないがな、と王は続けた。

その著者の名前を聞いて、フェイレイもヴァンガードも衝撃を受けた。



(そういう、ことだったのか)



すべての謎は解けた。

捻じ曲げられた真実に隠された、本当の想いの欠片を見つけた。