Faylay~しあわせの魔法

「真実は代々、王家を継ぐ者にのみ口頭で伝えられてきた。一言一句、聞き漏らすことなく、また改変することなく、正確に伝えていくよう前王から言い付かっている」


アライエル王の話すことは、ランスロットから聞いた話とほぼ同じだった。

人でありながら、人智を超えた力を持って生まれたランスロット。

彼の素晴らしい才覚に惚れ込んだ当時のアライエル王が騎士として召抱え、すぐに彼は団長へ登りつめた。

朗らかで面倒見のいい人柄の彼は、騎士はもちろん、民にも慕われていた。

けれどそれは彼の表の顔に過ぎなかった。

王家の信頼を得ていく彼は、徐々に諸外国にも顔を広め、同時に本性を現していく。

私とともに来ないか。

精霊の女皇ティターニアを手に入れ、万物の力を操って魔族さえも手玉に取り、世界を支配するのだ、と。

野心を持つ者たちを集め、密かに軍を創り上げ、そしてティターニアを攫った。

黙っていなかったのは魔王だ。

ランスロットからティターニアを奪い返すべく、魔族の軍を操り、そして人と魔族の戦争が始まった。

精霊王やティターニアは争いを止めるよう、両者の間に立って説得を続けたが、受け入れられることはなかった。

そして。

自分に力があるからこんな争いが起きてしまったのだと嘆いたティターニアが、自らランスロットの剣にかかり、消えていった。

魔王は怒った。

この星ごと破壊する勢いで人間を攻めた。

それを精霊王がなんとか収め、そして魔王は封印、ランスロットは絶命、精霊王も力を使い果たして異空間で眠りにつき、ティターニアは『哀しみの塔』へ──。