Faylay~しあわせの魔法

「何……どういうこと……」

驚くローズマリーに、振り返ったフェイレイが追撃をかける。

『君達も邪魔だな』

白く淡く光る金髪の『勇者』が、フェイレイの背後に見える。

完全にフェイレイを手中にしたために、その姿を他人に晒すことが出来るようになっていた。

「避けて!」

そう叫びながら、フェイレイは剣を振りかざす。

その前にヴァンガードが飛び出した。

「すみません!!」

謝りながらトリガーを引き、足を狙って睡眠弾を放った。しかしそんなものは『勇者』には利かない。すべて剣で弾き飛ばされてしまった。

「駄目だ」

ローズマリーは状況を把握しないまま、ヴァンガードの腰を掴むと横に飛んで剣をかわした。

それを更に追うフェイレイ。

「やめろ、ランスロットォォッ!」

叫んでも、動きを制止するための力は働かない。素早く振られる剣は、ローズマリーの気の籠手で受け止められた。

だが、彼女でも受け止めるだけで精一杯の力だ。

少しでも気を抜くと手首が斬り落とされてしまう。

「フェイレイくん、どうしたの、何があったの!」

「身体が言うことを聞かない! いいから逃げるんだっ! でないと……俺がみんなを殺してしまう!」

「そんな……」

何とかフェイレイの剣を受け止めながらも、ジリジリと後退させられる。後ろにいるヴァンガードも、どうすればいいのか分からずに困惑している様子だ。