剣は白く光る壁を突破し、黒い剣を押し込む。
『人は何を信じているのだろうか。偽りの笑顔を信じ、偽りの言葉を信じ、仲間だと勝手に思い込む。そして言うんだよ。偽りの仮面を脱ぎ去った私に向かって、“騙したのか”、と』
ガキィン、と火花が散って魔王とリディルが弾き飛ばされた。
魔王はリディルに傷をつけまいと、彼女を抱きかかえて床の上を転がっていく。
『私は騙していたわけではない。ただその方が都合が良かったんだ。笑顔でいれば、優しい言葉をかければ、誰もが“この人は悪い人ではない”と思い込む。無駄に争うこともなく、面倒がなくて良かった』
剣を左手に持ち、フェイレイの足は魔王とリディルのもとへ向かう。
『フェイレイ、君も私を信じてくれたね。君は私の何を信じていた? “勇者”という名を? それとも、君の父親に似ているこの容姿を?』
「それは……」
『フフ、容姿が似ているというだけで、父親に似ていると思い込む。そんな単純なところ、嫌いではないよ』
剣を構える魔王、そしてその背に庇われたリディルに目をやり、ランスロットは笑みを浮かべた。
『扱いやすくてね』
足が床を蹴り、一瞬でリディルの背後へと回り込む。
「──逃げろっ!」
自分の身体なのに抑えきれない。
振り下ろされた剣がリディルを傷つけてしまう。それを分かっていながら、どうにも出来ない。
魔王が振り返り、剣を振り上げる。
リディルの頭上で剣と剣がぶつかり合おうとする、そのとき。
『人は何を信じているのだろうか。偽りの笑顔を信じ、偽りの言葉を信じ、仲間だと勝手に思い込む。そして言うんだよ。偽りの仮面を脱ぎ去った私に向かって、“騙したのか”、と』
ガキィン、と火花が散って魔王とリディルが弾き飛ばされた。
魔王はリディルに傷をつけまいと、彼女を抱きかかえて床の上を転がっていく。
『私は騙していたわけではない。ただその方が都合が良かったんだ。笑顔でいれば、優しい言葉をかければ、誰もが“この人は悪い人ではない”と思い込む。無駄に争うこともなく、面倒がなくて良かった』
剣を左手に持ち、フェイレイの足は魔王とリディルのもとへ向かう。
『フェイレイ、君も私を信じてくれたね。君は私の何を信じていた? “勇者”という名を? それとも、君の父親に似ているこの容姿を?』
「それは……」
『フフ、容姿が似ているというだけで、父親に似ていると思い込む。そんな単純なところ、嫌いではないよ』
剣を構える魔王、そしてその背に庇われたリディルに目をやり、ランスロットは笑みを浮かべた。
『扱いやすくてね』
足が床を蹴り、一瞬でリディルの背後へと回り込む。
「──逃げろっ!」
自分の身体なのに抑えきれない。
振り下ろされた剣がリディルを傷つけてしまう。それを分かっていながら、どうにも出来ない。
魔王が振り返り、剣を振り上げる。
リディルの頭上で剣と剣がぶつかり合おうとする、そのとき。


