魔王は静かに、差し出された白くて小さな手を見つめた。
そんな魔王をリディルは祈るような気持ちで見つめる。
しばらくそのまま無言のときが流れたあと、魔王は静かに目を閉じ、そして首を横に振った。
「それがお前の望みでも、叶えてやることは出来ん」
「貴方がこの手を取らなければ、私は」
リディルが必死の想いで言葉を伝えようとしたとき。
足元を何かが走ったような気がした。
そこに目を落とし、そこにあったはずのフェイレイの剣が失くなっていることに気づいて。
「──フェイっ」
リディルが振り返るより速く、その剣は彼女の背中を捕らえ、一気にに貫こうとしていた。
そこへ魔王が割って入り、リディルを腕の中へ庇いながらその剣を弾いた。
「……だから言っただろう。お前は優しすぎるのだと。その優しさが……私からお前を奪ったのだ、と」
魔王はフェイレイを睨みつけていた。
そのフェイレイは、驚愕の表情で剣を構えていた。
「な、んで……」
フェイレイは自分でも信じられなかった。
落とした剣を拾ったかと思ったら、ほぼ反射的にリディルの背中へ剣を突き立てていた。
誰よりも彼女を愛し、何があっても彼女のことだけは見失わない、そんなフェイレイがリディルへ剣を向けている。
「身体が……言うことを、聞かない……」
見えない力に突き動かされる腕は、自分の意志に反して剣を持ち上げていく。それを見て、リディルは驚くでもなく、哀しげに呟いた。
「ランスロット……」
そんな魔王をリディルは祈るような気持ちで見つめる。
しばらくそのまま無言のときが流れたあと、魔王は静かに目を閉じ、そして首を横に振った。
「それがお前の望みでも、叶えてやることは出来ん」
「貴方がこの手を取らなければ、私は」
リディルが必死の想いで言葉を伝えようとしたとき。
足元を何かが走ったような気がした。
そこに目を落とし、そこにあったはずのフェイレイの剣が失くなっていることに気づいて。
「──フェイっ」
リディルが振り返るより速く、その剣は彼女の背中を捕らえ、一気にに貫こうとしていた。
そこへ魔王が割って入り、リディルを腕の中へ庇いながらその剣を弾いた。
「……だから言っただろう。お前は優しすぎるのだと。その優しさが……私からお前を奪ったのだ、と」
魔王はフェイレイを睨みつけていた。
そのフェイレイは、驚愕の表情で剣を構えていた。
「な、んで……」
フェイレイは自分でも信じられなかった。
落とした剣を拾ったかと思ったら、ほぼ反射的にリディルの背中へ剣を突き立てていた。
誰よりも彼女を愛し、何があっても彼女のことだけは見失わない、そんなフェイレイがリディルへ剣を向けている。
「身体が……言うことを、聞かない……」
見えない力に突き動かされる腕は、自分の意志に反して剣を持ち上げていく。それを見て、リディルは驚くでもなく、哀しげに呟いた。
「ランスロット……」


