「何故なら俺はぁ~」
カシャ、と剣を伸ばして構え、自分の中の闘気を高める。風もないのに髪の毛が揺れ始めるのを、ヴァンガードは感じた。
「リディル専属の『勇者』だからだ──!!」
どん、と空気が震え、フェイレイから“気”の渦が立ち上がる。それを剣に纏わせて、一気に上から振り落とした。
「な……」
ヴァンガードが目を見開いているうちに、それはドラゴンの吐き出したマグマの息とぶつかり合って大爆発を起こした。
爆風が吹き荒れ、周りの岩盤には亀裂が入る。
もうこの坑道は長くは持たない。そう判断して、フェイレイは一気にドラゴンとの間合いを詰めた。
狙うのは、ドラゴンの左目。
ブウン、と飛んでくる尻尾を避け、左右から伸びてくる爪を剣で弾き返し、思い切り跳躍して左目に剣を突き刺した。
「グガアアア」
苦し紛れにマグマの息を吐き出そうとするドラゴン。
その頭をガン、ガンガンと、三度殴りつける。傷は付けられないが、馬鹿みたいな力で振られた剣は、ドラゴンの脳を揺らした。
軽く目を回して後ろに倒れるのを見届けると、フェイレイは大急ぎで2人のもとへ戻ってきた。
「今のうちだ! 逃げるぞっ!」
足を怪我して歩けないヴァンガードを背負い、リディルを腕に抱えて再び歩き出す。
カシャ、と剣を伸ばして構え、自分の中の闘気を高める。風もないのに髪の毛が揺れ始めるのを、ヴァンガードは感じた。
「リディル専属の『勇者』だからだ──!!」
どん、と空気が震え、フェイレイから“気”の渦が立ち上がる。それを剣に纏わせて、一気に上から振り落とした。
「な……」
ヴァンガードが目を見開いているうちに、それはドラゴンの吐き出したマグマの息とぶつかり合って大爆発を起こした。
爆風が吹き荒れ、周りの岩盤には亀裂が入る。
もうこの坑道は長くは持たない。そう判断して、フェイレイは一気にドラゴンとの間合いを詰めた。
狙うのは、ドラゴンの左目。
ブウン、と飛んでくる尻尾を避け、左右から伸びてくる爪を剣で弾き返し、思い切り跳躍して左目に剣を突き刺した。
「グガアアア」
苦し紛れにマグマの息を吐き出そうとするドラゴン。
その頭をガン、ガンガンと、三度殴りつける。傷は付けられないが、馬鹿みたいな力で振られた剣は、ドラゴンの脳を揺らした。
軽く目を回して後ろに倒れるのを見届けると、フェイレイは大急ぎで2人のもとへ戻ってきた。
「今のうちだ! 逃げるぞっ!」
足を怪我して歩けないヴァンガードを背負い、リディルを腕に抱えて再び歩き出す。


