Faylay~しあわせの魔法

「あんたは皇家のために動いてたんだろ!? それなら何で、ローズさんまで!」

「それは私の本心ではないのですよ。まだ解りませんか」

アレクセイはニヤリと笑うと、剣を弾いてフェイレイと距離を取った。

「私はこの星の覇王となりたい……それが、本心です」

「……嘘だ」

フェイレイは首を振る。

「どこまでもおめでたい人ですね。仲間を傷つけられても、まだ私と共に行こうなどと考えていらっしゃるのですか」

「ローズさんはあんたを信じてる」

「その彼女も、今や死の淵にいるのですが? いや、もう……旅立ってしまわれたかな」

その言葉に、フェイレイはグッと剣の柄を握り締めた。

「何でだよ……」

顔を歪め、フェイレイは首を振る。

アレクセイのことを語れるほど、フェイレイは彼を知らない。

それでも信じたいと思うのは、ローズマリーが優しい顔で彼のことを語っていたからだ。

セルティアを追い詰め、リディルを攫い、フェイレイを容赦なく叩きのめし……上げればキリがないほど酷い目に遭わされて。

それでもまだ信じたいと思うのは。

仲間が彼を信じたがっているから。

「甘いな」

アレクセイは笑った。

「それでよくも皇女殿下を護るなどと言えたものですね。いや、だからこそ……貴方は二度も彼女の手を離したのか。その覚悟の甘さゆえに、殿下は……」