Faylay~しあわせの魔法

ローズマリーを助けようとしていたヴァンガードは、自分に向かってやってくる衝撃波に気づくのが一瞬遅れた。

「──!!」

声を上げることも出来ぬまま、その波に身体を貫かれ、吹き飛ばされる。

「ヴァン──!!」

ヴァンガードばかりではない。

落ちてくる天井から逃げ、庭園に散らばっていた兵士たちもその犠牲となる。

「げ、元帥、何故皇后陛下を!」

何とか逃れた者たちが、青ざめながら遠巻きに声をかける。

そんな彼らに、アレクセイは冷笑を浮かべながら言った。

「陛下ではない。この私の邪魔をする、反逆者だ……」

「何をおっしゃって……」

「お前たちも邪魔をするというのなら……」

スッと剣を構えるアレクセイの前に、フェイレイが立ちはだかる。

「あんたたち、逃げろ!」

「し、しかし……」

「巻き込まれるぞ!」

アレクセイが剣を振り切るのと同時に、フェイレイも剣を振る。

至近距離でぶつかりあった衝撃波は2人の間で大爆発を起こしたが、それでアレクセイの力は相殺した。

爆発によって捲れ上がった土がボタボタと降って来る中、フェイレイとアレクセイは再び剣を合わせる。

「なんでローズさんまで!」

鍔迫り合いでギャリギャリと嫌な音を立てる剣を挟み、2人は睨みあう。