Faylay~しあわせの魔法

「防壁弾か」

アレクセイは少しだけ目を細めたが、再び剣を振り落とした。

防壁の光はまたアレクセイの剣を受け止めたが、それは一瞬のことで、すぐに粉々に砕け散ってしまった。

だがその一瞬が、フェイレイにローズマリーを助ける時間を与えた。

体当たりするようにローズマリーを突き飛ばし、腰から抜いた剣でアレクセイの剣を受け止める。

「やめろ! ローズさんはあんたの幼馴染なんだろ!?」

「昔のことですよ」

アレクセイは表情を変えずそう言い、もう一撃剣を放った。

その重い剣を受け止めたフェイレイは、崩れた柱まで思い切り吹き飛ばされた。

「っ!」

背中に衝撃を受けて一瞬だけ息を詰まらせている間に、アレクセイは突き飛ばされて庭園に転がったローズマリーを追った。

まるで迷いのないその動きに、フェイレイはすぐに立ち上がって床を蹴った。

「やめろアレクセイ──!!」

まさかと思った。

けれどその動きは、あまりにも真っ直ぐだった。

向かってくるアレクセイに防御態勢を整えたローズマリーだったが、剣はそれを遥かに凌駕する動きで彼女の身体を貫いた。

そこにいた誰もが目を疑った。

星府軍元帥と皇后陛下である前に、仲の良い幼馴染同士。

そんな彼らなのに。

アレクセイの剣は、ローズマリーの胸を一直線に貫いていた。