彼らの意図はまだ計りかねたが、とりあえず話を聞くことになり、彼らの部屋へ案内された。
左右の壁際にそれぞれベッドがひとつずつ置いてある、フェイレイたちの泊まっている部屋と同じような広さの部屋だ。
部屋にはソファや椅子がないため、ベッドのひとつにシルヴァが、そしてフェイレイたちが反対側に、それぞれ向かい合って座る。
「先程、宿の主人も申しておりました通り、最近、東海岸にある街で、淑女の誘拐事件が起きているのです。この、ひ……シルヴァ様の元にも予告状が届きました。本日、日付が変わる時間に迎えに行くと」
執事はシルヴァの前に立ち、そう説明する。
「それで……貴女たちは、犯人を捕まえるつもりですの?」
「そのつもりでここにいる」
シルヴァは表情ひとつ変えず、腕組みをして座っている。
公爵家令嬢という割には、あまり令嬢らしくない少女だ。
「愛するアライエルの国民の不安を取り除くのは、私の天命である」
「ひ、シルヴァ様は、お優しいお方なのです」
しゃんと背筋を伸ばして立派なことを言うシルヴァに、何故か少し慌てたように、そう付け足す執事。
「……執事さんは何故、彼女の名前の前に『ひ』を付けるのかしら」
ローズマリー、そしてヴァンガードが首を捻った。
「犯人捕まえようっていうのは、立派だけどさ。ちゃんと宿の主人に謝るんだぞ」
フェイレイはシルヴァを睨んだ。
「あれは、ああして目立つように振る舞っておけば、嫌でも犯人に居場所が知れるだろうという、演技でございまして……」
「主人にはすでに侘びを入れた。貴様が心配することではない。……しかし貴様には感心した。なかなか良い心根を持っておるな。優しさを受け入れられない者に、身分を誇る資格などない、か。うむ、その通りだ。よく言った。褒めてつかわす」
シルヴァはやはり、不遜な態度だった。
左右の壁際にそれぞれベッドがひとつずつ置いてある、フェイレイたちの泊まっている部屋と同じような広さの部屋だ。
部屋にはソファや椅子がないため、ベッドのひとつにシルヴァが、そしてフェイレイたちが反対側に、それぞれ向かい合って座る。
「先程、宿の主人も申しておりました通り、最近、東海岸にある街で、淑女の誘拐事件が起きているのです。この、ひ……シルヴァ様の元にも予告状が届きました。本日、日付が変わる時間に迎えに行くと」
執事はシルヴァの前に立ち、そう説明する。
「それで……貴女たちは、犯人を捕まえるつもりですの?」
「そのつもりでここにいる」
シルヴァは表情ひとつ変えず、腕組みをして座っている。
公爵家令嬢という割には、あまり令嬢らしくない少女だ。
「愛するアライエルの国民の不安を取り除くのは、私の天命である」
「ひ、シルヴァ様は、お優しいお方なのです」
しゃんと背筋を伸ばして立派なことを言うシルヴァに、何故か少し慌てたように、そう付け足す執事。
「……執事さんは何故、彼女の名前の前に『ひ』を付けるのかしら」
ローズマリー、そしてヴァンガードが首を捻った。
「犯人捕まえようっていうのは、立派だけどさ。ちゃんと宿の主人に謝るんだぞ」
フェイレイはシルヴァを睨んだ。
「あれは、ああして目立つように振る舞っておけば、嫌でも犯人に居場所が知れるだろうという、演技でございまして……」
「主人にはすでに侘びを入れた。貴様が心配することではない。……しかし貴様には感心した。なかなか良い心根を持っておるな。優しさを受け入れられない者に、身分を誇る資格などない、か。うむ、その通りだ。よく言った。褒めてつかわす」
シルヴァはやはり、不遜な態度だった。


