Faylay~しあわせの魔法

(ほわほわ)

リディルに顔を拭かれながら、右手に残っている感触を思い出す。

(……柔らかかったなー)

と、視線が自然とリディルの胸元にいく。

(リディルは……かわいかったな)

ブラッディの船でチラリと見えてしまった、真白でフリフリなかわいらしい下着と、かわいらしい膨らみがまざまざと思い出され、慌てて頭を振った。

「動かないで」

タオルでフェイレイの顔を拭いていたリディルに怒られ、ピタリと動きを止める。至近距離に見えるかわいい顔に、目のやり場がなくなって、横に視線を逸らす。

「服も血だらけだよ。グローブは?」

「ああ、うん、大丈夫。あとは自分でやる」

治療は終わったが、ずっしりと身体にダルさが残っている。鉛のような腕を持ち上げ、血がべっとりとついている黒のグローブを見て苦笑する。

「ごめん、疲れてるのにありがとう」

そう言って立ち上がり、一歩踏み出そうとしてグラリと身体が傾いた。それをリディルが支える。

「まだ動けないって、言ったでしょ」

「あはは、やっぱ、駄目かな」

情けない、と項垂れる。

「……お姫様抱っこ、しようか?」

そんなことを言われ、顔が引きつった。

「うぐぅっ……イヤ、それは無理でしょ」

「無理だよ。だから座って」