Faylay~しあわせの魔法

「……フォレイス」

冷ややかな視線を浴びせたまま、森の精霊フォレイスを召喚する。ぱっ、ぱっ、と姿を現したフォレイスたちは、むう、と頬を膨らませてフェイレイに近づいた。そして。

小さな手でびたん、と思いきり鼻を叩く。

「いでっ! あああ、いだだだだ!」

顔や肩、腕、と順に殴られていく。その度に傷は治っていくのだけれども、泣くほど痛い。

《フェイレイのばかー》

《ばかー》

《すけべー》

小さな精霊たちは口々に文句を言いながら、フェイレイの傷を治していく。

「違うー、ワザとじゃないんだぁ~!」

精霊に弁解しながら、酷い痛みを伴う治療は続く。

その間にリディルはテントから濡れタオルを持ってきて、火の精霊ティナの力でほかほかと温めてから、血だらけのフェイレイの顔を拭いてやった。

「治っても、しばらくは動けないよ」

「うう、分かってる……」

ローズマリーから受けた衝撃は、傷が塞がったくらいでは拭い去れないほど凄まじかった。

「あの人、ホント凄いよ。さすが本部の人だよ……」

セルティアだけでチヤホヤされていたのとは違う……。

いつかローズマリーが言っていた言葉は本当だった。世界には、まだまだ強い人がたくさんいるのだと痛感させられた。

普段はあんなにほわほわしているのに……。