Faylay~しあわせの魔法

「大丈夫。きっと、何もかもうまくいく」

ナミの占いと同じく、フェイレイの笑顔にも強い力を感じる。

人を信じさせる、強い力。

それはきっと。

絶対に倒せないと分かっているドラゴンに立ち向かっていく、無謀とも言える、けれど勇ましい心だとか。

自分も辛いのに、他人を想える強さだとか。

どんな場面でも笑っている彼と、その背中を見てきたからなのだろう。

「……能天気過ぎるのもどうかと思いますよ」

そう釘を刺しながら、ヴァンガードは立ち上がる。そしてフェイレイを見下ろして。

「でも、そう信じるのって、大事ですよね」

少しだけ微笑んだら、フェイレイも笑顔を向けた。

「おう!」

何だか嬉しそうに笑う彼に、ヴァンガードは笑みを向けてから草原を歩き始めた。そして、自分の髪と同じ、薄い青空を見上げる。

──困ったことに。

彼は、フェイレイのことを嫌いではなかった。

嫌いでは──ないのだ。

「どうすれば、いいのかな」

そよそよと草原を渡っていく優しい風に、その言葉は攫われて消えていった。