Faylay~しあわせの魔法

「対等に張り合ってみたら良いのですわ。その上でどうしても駄目だというのなら……後悔しませんでしょ」

ローズマリーはカードなど一切見ていなかった。

ヴァンガードを真っ直ぐに見つめながら、ね、と微笑んでみせた。

考えてみれば、手順を覚えたからといって、ローズマリーがカードの意味を理解しているわけがない。

すっかり気持ちが伝わってしまっているのだと気づき、ヴァンガードは気持ちを切り替える。

「……でも今は、そんなこと言ってる場合ではありませんから」

「そうかしら?」

「そうですよ」

ヴァンガードはローズマリーの手からカードを奪い取ると、他のカードも合わせて少し乱暴にケースにしまい、棚に置いた。

「外の空気を吸ってきますね」

そう言って静かにテントを出て行く。

これ以上踏み込んでくるなと言いたげなその後姿を見つめ、ローズマリーはコツ、と自分の頭を叩く。

「……少しお節介でしたかしらね」

ふう、と溜息をつく。

「でも……貴方たちって、似てるのですもの……」

だから放っておけないのよね、と一人ごちて、やっぱりただのお節介だろうかと反省した。


──もう誰にも、後悔したまま生きて欲しくはないのだけれど。