Faylay~しあわせの魔法

「……ヴァンには、バレてるんだったね」

羞恥からか、ヴァンガードと視線を合わさないように斜め下を見ながら、リディルは呟いた。

「そうですよ。今更、ですよ」

ヴァンガードはクスクス笑いながら、カードを並べた。

そうしながら、内心嘆息するのだ。

変に大人ぶるクセがついている自分が恨めしい。

子どもらしく無邪気に間に入り込むとか、もっと狡賢く立ち回れば、ふわふわと落ち着かないあの2人の隙をつくことも出来そうなのに──。

(なんでそんなこと)

考えているのだろう。

(ヤキモチみたい)

自嘲の笑みを浮かべたところで、ふと、気づいた。

「えっ」

嫉妬。

その言葉が、思いがけずストンと胸の中に収まってしまった。……つまり、そういうことなのだ。

「……ヴァン?」

動きが完全に止まってしまったヴァンガードに、リディルが声をかける。しかしそれでも反応がないので、下から覗き込んでみた。

「ヴァン?」

「え? あ、うわっ」

あまりにも近い位置から見上げられていて、ヴァンガードは思わず叫んだ。

「どうかした?」

少し上目遣いにそう訊ねられて、思わず目をそむける。リディルの上目遣いは、ヴァンガードにとって何よりも破壊力があった。

「ええと、あの。その並べたカードの中から、一枚選んでください」

視線を合わせないようにカードを指差すと、リディルは並べられたカードの上で細い指を彷徨わせたあと、右端のカードを手に取ってヴァンガードに渡した。