Faylay~しあわせの魔法

無表情で感情が読めない。けれど、きっと元気がない。そう思い、ヴァンガードは棚に置いてあったカードを手にした。

「ハルカさん、これ、お借りしてもいいですか?」

「はい、ああ、カードですね。いいですよ。私もおばあちゃんも使わないものですから」

ハルカの許可を得て、ヴァンガードはケースからカードを取り出す。

「占い、興味、ありますか?」

「……ヴァン、占い、出来るの?」

「かじった程度ですよ。学校で流行っていたので、何となく覚えました」

「ふうん……」

リディルの視線は、器用にカードを切るヴァンガードの手に注がれる。その瞳は僅かに輝いていた。

(興味、ありそう)

ヴァンガードはジッと見られてドキドキしながらカードを切る。

「何か占ってみましょうか? 簡単なものしか出来ませんけど。これからの未来とか、恋占いとか……」

ぱっと、リディルの頬に朱が差した。

「……恋占い、しましょうか?」

「え? ううん……」

リディルは慌てたように首を振る。ヴァンガードは苦笑した。

「フェイレイさんとのこと、とか?」

リディルの頬はますます赤くなる。

出合った頃は、無口で無表情で、何を考えているのかまったく分からない、話しかけるのも躊躇うような、硬質な雰囲気を纏っている人だと思っていた。

だが、こうして一緒にいてみるとどうだろう。

僅かな表情の変化に、溢れんばかりの感情が表れているではないか。

普段無表情な分、その変化は読み取りやすい。これほど素直で、分かりやすい人はいないだろう。