Faylay~しあわせの魔法

「大丈夫です。代わりに僕が気をつけますから」

ヴァンガードはますます自分がしっかりしなければ、と心に誓う。

「そうね。ヴァンくんがいれば安心ですわね」

ローズマリーの言葉に、リディルも静かに頷いた。

リディルが頷いてくれたことで、ヴァンガードは少ししあわせな気分だ。


それから、まだ2人で話し込んでいるフェイレイとナミを外に置いて、3人は家の中へ招かれる。

「よろしければ、私が皆さんを占いましょうか? ……あまり当たりませんけれど」

自信なさげに黒髪を揺らすハルカに、「じゃあ」とローズマリーが前に出る。

「せっかくですから、占っていただこうかしら」

「はい! ではこちらにお掛けください。お手をお借りしますね」

ハルカは手相をみるらしい。小さな丸テーブルを挟んでふかふかの絨毯の上に座ると、ローズマリーの手を取り、じいっとその掌を眺めて何かを読み取り始めた。

その後ろで手持ち無沙汰になったヴァンガードは、キョロキョロと辺りを見回した。

外で見たよりも広く感じる室内には、低い丸テーブルがひとつと、棚の上には小さな水晶玉や方位盤、小さな石に何かの文字が書かれたもの、怪しげな御札などが並べられていた。

天井から吊り下げられた色とりどりの水晶の石で出来た簾の向こうは、2人の居住空間になっているようだ。

「何だか、不思議なものがいっぱいですね」

「うん」

リディルも珍しそうに辺りを見回している。その瞳は、まだ赤く潤んでいた。