Faylay~しあわせの魔法

照れて頭をかいた後、フェイレイは肝心の『未来』がどうなのか、ナミに訊いてみた。

「え、それで、その……どうなの? 俺、勇者になれそう?」

「大丈夫じゃ! お前さん、勇者になれる素質をもっとるわ。このままいけば人々に勇者として認められるし、あの子のハートも鷲づかみじゃ!」

「ホントに!?」

フェイレイの顔が、ぱあっと明るくなる。

そして後ろを振り返り。

「このバアちゃん凄いよ! 俺何も言ってないのに色々当ててるよ! みんなも占ってもらったら?」

嬉々として、そう告げた。

僅かな間沈黙が流れ、草原を一陣の風が通り過ぎていった。

「……勿体無いから遠慮いたしますわ」

ローズマリーは微笑みを崩すことなく、やんわりと断った。

「フェイレイくん、おばあさんの最後の占い、もう少し聞いてあげたら良いのではなくて?」

「うん、そうするー!」

嬉しそうにそう言い、またナミに向かい合ったフェイレイを生暖かい目で見守りながら、ハルカが遠慮がちに口を開いた。

「あの、失礼ですけれども……あの……フェイレイさんは騙されやすい方のようですから、気をつけられた方が、良いかと……」

まんまとナミの誘導──とも言えないものであるが──に嵌り、自ら勇者になりたいと言ったフェイレイ。誰が好きかなんていうのも、彼ほど分かりやすければ見ていれば分かる。

なのに。

本気でナミの力が凄いのだと信じているのだ。初対面のハルカでさえ心配になるほどの単純さである。