Faylay~しあわせの魔法

「お前さん……」

ナミはまじまじとフェイレイを見つめる。

「な、何?」

ゴクリと唾を飲み込み、ナミの言葉を待つ。

「何か、なりたいものがあるようだね」

ニヤリと唇の端を上げるナミに、フェイレイは驚く。

「ええ、なんで勇者になりたいって分かったの!?」


(そこまで言ってないし)

見守っている一同、全員が同時に胸の中で突っ込みを入れた。


「ヒャッヒャッ、勇者になりたいとはまた、豪儀なことよのぅ~。今時子どもでもそんなこと言うヤツはおらんわ~」

ペシン、と水晶玉を叩き、ナミは笑う。

「それに、ちょっと好きな人もおろう」

「え、ちょ、ちょっと待っ」

フェイレイは真っ赤になって辺りを見渡した。リディルと一瞬だけ目が合い、マズイ、と目を逸らす。

「何で分かんのー!」

小声でナミに囁く。

「ヒャッヒャッ、すべては水晶玉に映し出されておるわ。ホレ、そこの、さっきお前さんがギュ~っとしとった子じゃろ~」

「うわあっ、待って、言っちゃ駄目ー!」

ひそひそとそんなことを言い合うフェイレイとナミの会話は、残念ながら全員に丸聞こえだ。

「あの子はええぞぅ。将来自慢できるほどの美人さんになるぞ!」

「やっぱり? 俺もそう思う!」

「お前さん、見る目があるのう」

「いや~、それほどでも~」