Faylay~しあわせの魔法

「星府軍が残留している可能性もある。網にかかりに行くようなものだ」

「……そうだよな」

フェイレイは肩を落とした後、パッと笑顔を作った。

「旅先はそのときの判断で変更していく。これでいい?」

「異存はありませんわ」

ローズマリーが頷いた。オズウェルたちも、自分たちもそうする、と頷く。

「……ごめんね。迷惑、かけて……」

伏目がちにリディルがそう言うと、フェイレイは笑顔を作った。

「リディル専属勇者の俺が、リディルを護るのは当然!」

「私も、カインに過ちを犯させないためについてきているのです。気にしないでくださいな」

フェイレイとローズマリーのはっきりとした目的に、ヴァンガードはしばし考え込む。

自分は、両親を助けるためについてきた。その目的は一応達成されている。

では、その後はどうすればいいのか……。

ヴァンガードは救いを求めるように周りを見回した後、リディルで視線を留めた。





僅かな陽が出ると、ランスが湖に釣りに行くというので、フェイレイ、そしてオズウェルが一緒に極寒の外へ飛び出していった。

ローズマリーとビアンカは部屋の片付けと夕食の準備。そして、リディルとヴァンガードは暖炉にくべる薪を、小屋の隣から運ぶことになる。

「リディルさん」

白い息を吐き出しながら、声をかける。リディルはゆっくりと翡翠の瞳をヴァンガードへ向けた。