Faylay~しあわせの魔法

この島の住人たちの住む家は、湖の周りに集まっているらしい。フェイレイたちが丘からここまで歩いてきたところも、どうやら湖の上のようだ。

「どうやって魚を釣るの?」

「氷に穴を開けるんだ。なかなか楽しいよ。さっき釣った魚を使って食事を作っておいたからね。身体を温めるシチューも一緒にどうだい?」

「食べる!」

フェイレイが元気に返事をする。

極寒の中岩壁によじ登り、歩きづらい雪道を長く歩いてきて、お腹がペコペコだった。

「うん、じゃあ少し待ってなさい」

そう言い、ランスは奥のキッチンから料理を運んでくる。

温かい暖炉の前に並べられた料理は素朴なものだったが、それでも十分に胃を満たし、身体を温めてくれた。

「ああ、うまい~! 父さんのシチュー、久しぶりだ。最近家に帰ってなかったもんな」

それぞれが談笑する中、フェイレイはシチューにがっついた。その隣で、リディルも小さく頷く。

「魔族が増えたからね。ウチの村も、大分被害が出ていた……」

ランスは一瞬遠い目をした後、フェイレイとリディルに目を向けた。

「母さんと話は出来たかい?」

「うん? いや、あんまり……。だって色々、急だったからさ」

「ハハ、そうだね」

ランスは苦笑ぎみに頷いた。

「飛行艇で来るっていう話だったから、心配していたところだったんだ。時間がかかりすぎていると」

「だって、操縦出来ないのにやらせるからさ。ヴァンが頑張ってくれたけど、途中で撃墜されたんだ。そのあと、海賊船に拾われて、船長と決闘してきたよ」

「ほう? それは面白い体験を」

目を輝かせて微笑むランスの顔はヤンチャな子供のようで、どこかフェイレイに似ていた。