Faylay~しあわせの魔法

ということは、リディルも拳術に長けているのだろうか。

少し意外だなどと頭の片隅で思いながらも、そうすると自分が一番足手まといなのだと気付いて、少し落ち込んだ。

そんな彼の肩をオズウェルが叩く。

「精霊の召還は私たちに任せて、お前は登りきることだけを考えなさい」

「……はい」

「気にすんなって。お前が一番小さいんだから」

フェイレイのフォローに、ヴァンガードはムッとする。

「そうですね、確かに一番小さいですよ。でもすぐに貴方を追い越しますから、問題ありません」

つーん、と尖った言い方だが、いつものフェイレイなら気にするほどの言い方ではなかった。

けれど、身長は彼にとって一番のコンプレックスなのだ。

「その前に、俺も成長するからー」

笑顔を作りながらも、目は笑っていない。

「遺伝的に、僕の方が有利ですからね」

「俺も父さんはデカいんんだ!」

「僕は父上も母上も高いんです」

「それでも負けないぞー!」

「僕も、負けませんから」

バチバチと火花を散らす2人を、オズウェルは戸惑いながら見守った。

こんな子供染みた言い合いをしている息子に驚き、そして新鮮でもあった。こんな顔もするのだと。こんな普通の少年のような部分もあるのだと……初めて気付いた。