流氷近くを低く飛ぶ氷の精霊アランと、ふわふわと上空を飛ぶ雪の精霊シェニーは対照的だ。
アランたちはリディルが召還した女王と同じく、感情までも凍結させたような硬い表情でジッとフェイレイたちを見守っているが、シェニーたちはふわりとした笑顔で見下ろしている。
その笑顔は決して温かくはない。
冷たい微笑みでシェニーたちはティナたちを見下ろし、またティナたちも威嚇するように白い精霊たちを睨みつける。
精霊にも相性というものがあるらしい。
何故だかそれが微笑ましく思えて、フェイレイは少しだけ笑顔を作ることが出来た。それが手足を動かす力となり、極寒の道なき道を力強く進んでいく。
あまりにも真っ白で、方向も時間の感覚もないままに進んでいくと。
僅かな昼の時間が終わり、あっという間に辺りは暗闇に包まれた。ゴウゴウという風の音だけしか聞こえない闇の中を歩くことは恐怖感を募らせる。
立ち止まって、地図を確認する。
吹雪に遮られるものの、緑色に光る地図はしっかりと現在地を示している。それによると、すでにオースター島に上陸していて、岩壁の真下に到着しているらしかった。
「……何も見えないな」
岩壁のあるはずの方向を見上げてみる。
しかしただ暗闇が広がり、ゴウゴウという風の音が耳を劈くだけだ。
アランたちはリディルが召還した女王と同じく、感情までも凍結させたような硬い表情でジッとフェイレイたちを見守っているが、シェニーたちはふわりとした笑顔で見下ろしている。
その笑顔は決して温かくはない。
冷たい微笑みでシェニーたちはティナたちを見下ろし、またティナたちも威嚇するように白い精霊たちを睨みつける。
精霊にも相性というものがあるらしい。
何故だかそれが微笑ましく思えて、フェイレイは少しだけ笑顔を作ることが出来た。それが手足を動かす力となり、極寒の道なき道を力強く進んでいく。
あまりにも真っ白で、方向も時間の感覚もないままに進んでいくと。
僅かな昼の時間が終わり、あっという間に辺りは暗闇に包まれた。ゴウゴウという風の音だけしか聞こえない闇の中を歩くことは恐怖感を募らせる。
立ち止まって、地図を確認する。
吹雪に遮られるものの、緑色に光る地図はしっかりと現在地を示している。それによると、すでにオースター島に上陸していて、岩壁の真下に到着しているらしかった。
「……何も見えないな」
岩壁のあるはずの方向を見上げてみる。
しかしただ暗闇が広がり、ゴウゴウという風の音が耳を劈くだけだ。


