Faylay~しあわせの魔法

「はい」

ヴァンガードは姿勢を正し、父を見る。

「お前は……この先、どうするつもりなのだ?」

「僕は、フェイレイさんたちについていこうと思っています。父上たちも、そのつもりなのですよね?」

ヴァンガードの問いに、オズウェルとビアンカは憂い顔で目配せした。

「そのことなのだが……。私たちはオースター島まで一緒に行った後、皇女殿下とは別行動を取ろうと思っているのだ」

「えっ……?」

父の言葉にヴァンガードは驚きを隠せず、目を丸くした。

「せっかく貴方とこうして向き合えたばかりなのに……私は、離れたくはないのですけれどね」

ビカンカは哀しげに眉を寄せながらも、何とか笑顔でヴァンガードに語りかける。

「でも、皇女殿下も私たちも、星府軍に追われている身です。その私たちが行動をともにすれば、見つかる可能性も高くなる……そう、思うのですよ」

「それは、そうかもしれませんが」

「一緒に、来ないか」

オズウェルに言われ、ヴァンガードはハッとした。

両親の視線が、痛いほどに注がれる。

「追われている私たちと一緒に来れば、お前も危険な目に遭うだろう。それは皇女殿下に従っていっても同じことだ。かといってお前を一人残すのも心配だ。出来れば、ランス殿とともにオースター島に留まって欲しいところだが……」

「あそこは島全体が高い岩山に囲まれ、しかも常に強い風に晒されている。飛行艇でも近づくことは困難な場所です。アリア支部長が逃亡場所に選んだのも、星府軍に見つかる可能性が低いと踏んだからでしょう。……貴方には安全な場所にいて欲しいのです」