Faylay~しあわせの魔法

ハニーブラウンの髪を左右に結い、それをぴょこぴょこ揺らしながら小川をパシャパシャと駆け回る。

「あの子は」

「あのお方がリディアーナ様です。今年、5歳になられますかな」

カインは母の違う妹を、遠くからジッと眺めた。

走り回っていたかと思えば、ワンピースの裾が濡れるのも構わず座り込んで、小川の中をジッと覗き込み、そのまま動かなくなったり。

バシャ、と手を突っ込んで、小さな魚を捕まえて、また走り回ったり。

リディアーナがキラキラと輝くような笑顔を見せるので、つい、それにつられて近づいていった。

すると、リディアーナがこちらに気付く。

ピチピチと小さな両手に挟まれて暴れる魚を掴みながら、翡翠の瞳をジッとカインに向ける。

「こんにちは、リディアーナ」

笑顔で語りかけると、リディアーナは大きな瞳を瞬きさせて、首を傾げた。

「こんにちは。……だぁれ? おきゃくさま?」

「ああ、うん。そうかな」

「おきゃくさま。こんにちは」

にっこりと微笑み、リディアーナは小川から上がって、カインとは別の方向へと駆けていってしまった。

どこへ行くのかと思えば、その先に洗濯物を干す女性の姿があった。