そうして3年経ったある日。
皇太子としての激務に追われ、少し疲れ気味であったカインが、珍しく顔を輝かせてサイラスのもとにやってきた。
「聞いてくれサイラス。私に妹がいたのだ! 皇都の外れで暮らしているらしい。会いに行きたい。ついてきてくれ!」
誰の影響か、随分と積極的に育ってしまったカインは、サイラスにそう言うと、さっと皇宮を出て行った。
そんな彼を割りと気に入っているサイラスは、しっかり護衛を務めるべく、後に続いた。
皇都の華やかな街を抜け、緑の緩やかな丘陵が続く田園地帯に、親子の家はあった。
ガタン、ゴトンと回る水車小屋のすぐ傍。
こじんまりとした煉瓦造りの家が、カインの妹であるリディアーナの暮らす家だった。
「……ここが?」
豪華絢爛な皇宮とはまるで違う、質素な造りの佇まいに、カインはしばし呆然としていた。
「何故、このような田舎に」
カインのその問いに、サイラスとともについてきた宮廷精霊士、クライヴ=モリア=エインズワースは朗らかに笑った。
「シャンテル様やリディアーナ様にお会いになれば、殿下もきっとここがお好きになられますよ」
クライヴはカインの精霊召還術の師であり、サイラスと同じく、カインの信頼する人間のひとりだった。
「おお、あそこにおられるのは」
クライヴが目を細めて眺めた先には、水車を回す小川で水遊びをする、小さな少女がいた。
皇太子としての激務に追われ、少し疲れ気味であったカインが、珍しく顔を輝かせてサイラスのもとにやってきた。
「聞いてくれサイラス。私に妹がいたのだ! 皇都の外れで暮らしているらしい。会いに行きたい。ついてきてくれ!」
誰の影響か、随分と積極的に育ってしまったカインは、サイラスにそう言うと、さっと皇宮を出て行った。
そんな彼を割りと気に入っているサイラスは、しっかり護衛を務めるべく、後に続いた。
皇都の華やかな街を抜け、緑の緩やかな丘陵が続く田園地帯に、親子の家はあった。
ガタン、ゴトンと回る水車小屋のすぐ傍。
こじんまりとした煉瓦造りの家が、カインの妹であるリディアーナの暮らす家だった。
「……ここが?」
豪華絢爛な皇宮とはまるで違う、質素な造りの佇まいに、カインはしばし呆然としていた。
「何故、このような田舎に」
カインのその問いに、サイラスとともについてきた宮廷精霊士、クライヴ=モリア=エインズワースは朗らかに笑った。
「シャンテル様やリディアーナ様にお会いになれば、殿下もきっとここがお好きになられますよ」
クライヴはカインの精霊召還術の師であり、サイラスと同じく、カインの信頼する人間のひとりだった。
「おお、あそこにおられるのは」
クライヴが目を細めて眺めた先には、水車を回す小川で水遊びをする、小さな少女がいた。


