ぶわ、とリディルを青白い炎が取り囲んだ。
驚いて身を震わせたが、それは彼女に害を与えることはなかった。しかし、ぼんやりと脳裏に過ぎったのだ。代わりにフェイレイが苦しんでいる姿が。
『リディル』
彼の声が聞こえる。
自分が受けるべき痛みをすべて引き受けて、青白い炎に包まれている。
「やめて」
リディルは近づいてこようとする白い手に向かって言った。
白い手はググ、と何かの壁に押し戻されているようにも見える。それでもなお、その壁を突破しようと爪を立てるような形を作る。
途端に、フェイレイの叫び声が聞こえた。
「やめて! フェイを、傷つけないで──!!」
身体の内から、何か熱いものが溢れ出してきた。
それは光となって弾け飛び、まず青白い炎を掻き消した。そしてリディルを拘束する黒い糸を解き、大きな白い手を弾き飛ばし、霧散させた。
──何が起きたのか、良く分からない。
けれども、この暗闇の中には何もいなくなった。ただ、鳩尾の辺りで小さな光が瞬いている。
「……フェイ?」
ゆっくりと身体を起こし、辺りを見渡して何もないことを確認してから、そっと小さな光を両手で包み込む。
すると。
そこからふわあっと風が巻き起こり、それに乗って光が流れていった。その光の行方を追っていると、不思議な現象がおきた。
驚いて身を震わせたが、それは彼女に害を与えることはなかった。しかし、ぼんやりと脳裏に過ぎったのだ。代わりにフェイレイが苦しんでいる姿が。
『リディル』
彼の声が聞こえる。
自分が受けるべき痛みをすべて引き受けて、青白い炎に包まれている。
「やめて」
リディルは近づいてこようとする白い手に向かって言った。
白い手はググ、と何かの壁に押し戻されているようにも見える。それでもなお、その壁を突破しようと爪を立てるような形を作る。
途端に、フェイレイの叫び声が聞こえた。
「やめて! フェイを、傷つけないで──!!」
身体の内から、何か熱いものが溢れ出してきた。
それは光となって弾け飛び、まず青白い炎を掻き消した。そしてリディルを拘束する黒い糸を解き、大きな白い手を弾き飛ばし、霧散させた。
──何が起きたのか、良く分からない。
けれども、この暗闇の中には何もいなくなった。ただ、鳩尾の辺りで小さな光が瞬いている。
「……フェイ?」
ゆっくりと身体を起こし、辺りを見渡して何もないことを確認してから、そっと小さな光を両手で包み込む。
すると。
そこからふわあっと風が巻き起こり、それに乗って光が流れていった。その光の行方を追っていると、不思議な現象がおきた。


