Faylay~しあわせの魔法

何とか目を開けて辺りを見回すと、何艘もの飛行艇がミサイルやビーム砲と一緒に飛び交っていた。これを全部避けながら飛ぶタウに、敬意を表したい。

「凄い……」

グルグル回る空の景色を見て、ヴァンガードは呟いた。しかし誰もその声に気付かない。

風の音が凄くて、インカムを通してもかき消されてしまうのだ。

タウは声を張り上げた。

「パラシュートは使えない。こんな中でのんびり下りてたら狙い撃ちされるからね! 飛び降りることになるけど、覚悟はいいかい!?」

「はい!」

「君達と一緒に何人か飛ぶ! 誰かが倒れても気にしないで! 自分の目的に向かって進むんだ!」

「はい!」

飛行艇はグルリと戦艦の上を旋回しながら、飛び降りれそうな甲板を目指す。

それに気付いたのか、星府軍の飛行艇たちが戦艦上部に集まりだした。それをギルドの飛行艇たちが近づけさせまいと奮闘している。

白黒が交わる空中を見ながら、ヴァンガードはブルリと身を震わせた。

「……怖いか?」

その様子に気付いたフェイレイが声をかける。

「怖いですよ!」

ヴァンガードは正直に答えた。

「でも!」

ゴオオ、と音を立てながら目の前を黒い飛行艇が通り過ぎていく。2人の髪が逆立った。

「貴方と一緒なら、何だって出来そうな気がします!」