Faylay~しあわせの魔法

空に浮かぶ戦艦へ向かうには、飛行艇が必要だ。

飛行場に向かって驀進するフェイレイの前に、次々と現れる傭兵たち。

その剣をかわし、拳と蹴りをかわし、精霊たちの魔法をかわし、ズンズン前に進んでいくと、目の前に白い煙幕が立ち上がった。

「む」

魔銃士の放った催涙弾だ。慌てて顔を覆うが、いくらか吸い込んでしまい激しく咳き込んだ。

涙で霞む視界に、剣士や拳闘士などの前衛を負う戦士たちが次々と飛び込んでくる。

そこに、ドン、と風が巻き起こった。

フェイレイの目の前を中心に巻き起こった風は、戦士たちと煙幕を吹き飛ばす。

「何やってんですか! 煙を吸い込まないで、走って!」

「……ヴァン!?」

驚いているフェイレイの前に駆け込んできたヴァンガードは、チラリとフェイレイを見上げた後、すぐに走り出した。フェイレイもそれを追う。

「ヴァン、駄目だ、お前を巻き込む」

「いいんですよ、僕も行くんですから」

「えっ?」

「自分の両親くらい、自分で助けます。僕はあの人達に、言いたいことが山ほどあるんだ!」

前方に現れた傭兵たちに催涙弾を撃ち込みながら、ヴァンガードは叫んだ。