Faylay~しあわせの魔法

『もう一度言ってみろ、この馬鹿が!』

……アリアだ。

通信機が壊れるのではないかと思うくらいの怒声が、辺りに響き渡った。

「俺、ギルドを辞める。俺のIDを削除して。んで、俺と親子の縁を切ってくれ」

「……な、何言ってるんですか貴方は!」

ヴァンガードが驚きの声を上げる。

「セルティアの人達に迷惑をかけずにリディルを助けるには、こうするしかない」

『そんなことをしても無駄だ! 今頃リディルは戦艦の中だ。おまけにアレクセイが傍にいるぞ。お前の倒せる相手ではないんだ!』

「分かってる。だけど、このまま退くわけにはいかないんだ。俺は、リディルの『勇者』なんだ! 絶対、護ってみせる!」

「あ、貴方って人は……」

『この馬鹿が』

ヴァンガードとアリアからは、呆れたような声が漏れた。

『お前は、父や母を捨ててまでリディルを選ぶのか』

「そうじゃない……」

『そんなことは許さん』

その声とともに、ギルド一帯に警報が鳴り響いた。歩調を緩めて辺りを見回していると、館内放送が流れた。

『ギルド内職員全員に告ぐ。フェイレイ=グリフィノーを発見次第捕獲せよ! いいか、何が何でも止めろ!』

「うわ」

アリアの怒りの声がスピーカーから流れてきた。