騎士アレクセイは、フェイレイに寄り添うリディルに視線を送った。
「いかがなさいますか、皇女殿下。私は殿下の言葉に従います」
リディルはアレクセイを見つめた後、フェイレイの首筋に指を伸ばし、森の精霊フォレイスを召還した。
けれども、いつものような力が出ない。
エスティーナを出るときに精霊たちの姿を見かけなかった。それは、この空を覆い尽くす艦隊に恐れを成していたからだろう。
精霊たちは震えている。怯えている。そんな状態では、うまく力を発動出来ない。
精霊の力がなければ、なんと自分は無力なのだろう。リディルはそのことを思い知った。
時間をかけてやっとフェイレイの傷を癒すと、リディルは立ち上がった。
「この人達を傷つけないで。この国の人達を傷つけないで。私は……皇都に行く」
「リディル!」
フェイレイは立ち上がり、リディルの肩を強く掴んだ。
「駄目だ、皇都に行ったら!」
どうなるのか、そんなことは口にするのも嫌だった。
けれども、何も知らないはずのリディルは、まるで全てを理解しているかのように微笑んだのだ。
その微笑に顔を歪ませたフェイレイから視線を外し、躊躇いがちに彷徨わせた左手を、フェイレイの胸にそっと当てた。
小指のシルバーリングが、キラリと光る。
「いかがなさいますか、皇女殿下。私は殿下の言葉に従います」
リディルはアレクセイを見つめた後、フェイレイの首筋に指を伸ばし、森の精霊フォレイスを召還した。
けれども、いつものような力が出ない。
エスティーナを出るときに精霊たちの姿を見かけなかった。それは、この空を覆い尽くす艦隊に恐れを成していたからだろう。
精霊たちは震えている。怯えている。そんな状態では、うまく力を発動出来ない。
精霊の力がなければ、なんと自分は無力なのだろう。リディルはそのことを思い知った。
時間をかけてやっとフェイレイの傷を癒すと、リディルは立ち上がった。
「この人達を傷つけないで。この国の人達を傷つけないで。私は……皇都に行く」
「リディル!」
フェイレイは立ち上がり、リディルの肩を強く掴んだ。
「駄目だ、皇都に行ったら!」
どうなるのか、そんなことは口にするのも嫌だった。
けれども、何も知らないはずのリディルは、まるで全てを理解しているかのように微笑んだのだ。
その微笑に顔を歪ませたフェイレイから視線を外し、躊躇いがちに彷徨わせた左手を、フェイレイの胸にそっと当てた。
小指のシルバーリングが、キラリと光る。


