──そうして、カインの与えた24時間以内に、ここに全員が出揃ったのだ。
カインの妹であるリディル、リディルを皇都から連れ出したエインズワースの一族──ヴァンの両親。そして、カインの遣わした黒衣の騎士。
「国を殲滅って……そんな!」
フェイレイが声を上げるのを、アリアは目で制した。
黒衣の騎士は片膝をついたまま、フェイレイに視線をやる。
「正当な理由あってのことです。皇女、及び罪人を匿った罪。それは全国民で負うべきだと」
「そんなこと……」
「皇女殿下がお戻りになられるなら、何も問題はありませんよ」
騎士の無慈悲な言葉に、フェイレイはリディルの手を強く握り締めた。
「そんなこと、させない」
必ず護ると誓った。
リディルの左の小指にはめられたシルバーリングをそっとなぞり、その手を離してリディルを背に庇う。
「フェイ」
リディルと、アリアから声がかかった。しかし、フェイレイは退く気はなかった。
「逆らうのですね」
騎士はスッと立ち上がると、無表情にフェイレイを見下ろした。しかし、その身からはみるみる闘気が立ち上がっていく。
「やめろフェイ」
もう一度、アリアから声がかかる。だが、もう2人の間では戦いは始まっていた。
カインの妹であるリディル、リディルを皇都から連れ出したエインズワースの一族──ヴァンの両親。そして、カインの遣わした黒衣の騎士。
「国を殲滅って……そんな!」
フェイレイが声を上げるのを、アリアは目で制した。
黒衣の騎士は片膝をついたまま、フェイレイに視線をやる。
「正当な理由あってのことです。皇女、及び罪人を匿った罪。それは全国民で負うべきだと」
「そんなこと……」
「皇女殿下がお戻りになられるなら、何も問題はありませんよ」
騎士の無慈悲な言葉に、フェイレイはリディルの手を強く握り締めた。
「そんなこと、させない」
必ず護ると誓った。
リディルの左の小指にはめられたシルバーリングをそっとなぞり、その手を離してリディルを背に庇う。
「フェイ」
リディルと、アリアから声がかかった。しかし、フェイレイは退く気はなかった。
「逆らうのですね」
騎士はスッと立ち上がると、無表情にフェイレイを見下ろした。しかし、その身からはみるみる闘気が立ち上がっていく。
「やめろフェイ」
もう一度、アリアから声がかかる。だが、もう2人の間では戦いは始まっていた。


