意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜

「お待たせしちゃったかしら?」

『いいえ!』

私と加奈ちゃんは、背筋をピンと伸ばし、声を揃えて答えた。

「そう? そんなに緊張しなくていいのよ」

そう言ってニッコリ微笑む浅田先輩は、大人っぽくて素敵だなあと思った。

2年後には私もこんな風になれるかなあ。無理かなあ…


「服部さんと竹中さんよね?」

『はい!』

「二人には、今度の練習試合でベンチに入ってもらいます」

「えーっ!」

私は思わず素っ頓狂な声を上げていた。