「ねえお兄ちゃん。うちの男子で、香山先輩って知ってる? アタッカーなんだけど」

「そんな奴いたっけ? 水嶋なら知ってるけどな」

「ゲッ」

せっかく裕樹先輩の爽やかな笑顔を思い浮かべて、いい気分になりかけてたのに、嫌な奴を思い出してだいなしだ。

「なんだよ、『ゲッ』って。はっきり言っておまえのとこの男子は大した事ないけど、水嶋だけはすごいよ。あいつのスパイクには俺もビビるぜ」

「そう? でも性格は最悪だよ」

「へえ〜、もうお近づきになったか?」

「そんなんじゃないよ、あんな奴…」

「メグが男の子の話するなんて珍しいわね? 格好いいの?」

「あんな奴、格好よくないよ。格好いいのは、部長の裕樹先輩の方よ」

「あらま。ついにメグにも、好きな男の子が出来たのかしら?」