二つ上のお兄ちゃんもバレーをしている。

そもそも私がバレーを始めたのは、お兄ちゃんの影響だった。

お兄ちゃんの練習相手をしている内に、私もやるようになっていた。

「俺は構わない。もっと遅くてもいいよ。メグを一人で食わせるのは可哀相だからな」

お兄ちゃんは市内の高校に通ってるから、部活しても帰りが私より早い。

「徹(とおる)がそう言ってくれると助かるわ」

「ありがとう、お兄ちゃん」

「いいって、気にすんなよ」

そう言って、お兄ちゃんは優しく微笑んでくれた。

私はお兄ちゃんの笑顔を見て、裕樹先輩を思い出した。お兄ちゃんと裕樹先輩は、顔は全然似てないけど、雰囲気が似ている気がする。