「裏切りと札―2」






モヤモヤモヤ……









いつからか?


特に意識も
していなかった。










キサラを追った里子は、
探している内に
モヤのような煙りが漂う、
地面を歩いていた。










それは特に気にしない。


あまり重要ではないと、
不思議にそう思った。










「キサラ!!キサラ!!」









何故姿が
見えなくなったか?



再び身を案じる
里子であるが、
オジサン達とも
離れてしまった事に、
未だ気付かない。










「里子ちゃん…」










そこへフラッと
火鳥が現れた。










「あ、カー君。

キサラは
どこに行ったの?

さっきまで、
この辺りに居たよね?」










キョロキョロして、
火鳥に全く警戒心を
持たなかった。










その油断からか、
突拍子もなく
両手を突き出され、

里子に迫る。










ガッ!!










不意に掴まれた首。









それを、
ギリギリと絞めてくる。









「カッハ……!?

カ……君……?!」











「ククククク…」











火鳥は苦しむ里子を見て、
不敵な笑みを
浮かべているだけだ