「え〜、みなさんお疲れ様です」


いつも幹事役をしているらしい鈴木さんが、ビールが注がれたグラスを持って立ち上がっていた。


「今夜は珍しく、なべちゃんが参加してくれました!」


“おおー”という歓声と同時に、みんなが拍手をした。私はどういうリアクションをして良いか分からず、向けられる笑顔にただペコペコ頭を下げていた。


ただし、向かいの席からニヤッと笑ってきた拓哉さんには、ベーっと舌を出してやったけど。


「ラブラブだね?」


「何が?」


「あんたと香取さんに決まってんじゃん」


「えーっ、そんな事ないよ」


「隠す事ないでしょ? もう、みんな気付いてるみたいだし」


「な、何の事かなあ?」


「だから……」


その時、鈴木さんが何か話し始めたので、ゆかりちゃんの追求は中断された。助かったかも……