月曜日。

俺は会社のエレベーターに乗り、最上階のボタンを押した。

最上階の受付で、俺は社長への面会を申し出た。

「お約束はありますか?」

「ありません」

「お約束がなければお会いになれません」

秘書と思われる女性に拒絶されたが、もちろん諦めるつもりはない。

「緊急の用事なんです。綾乃さんの件で里中が会いたいと、伝えてください!」

「少しお待ちください」

俺のただならない剣幕に気圧されたのか、女性はそう言うと社長室に入って行った。そしていくらもせずに戻って来ると、


「お会いになるそうです。どうぞ、こちらへ」

と言った。

「失礼します」

ほっとしながら社長室に入ると、社長は椅子に座り、険しい顔で俺を睨んでいた。

「何の用だ?」