私と征一さんはコーヒーを飲み、恵美ちゃんと進藤さんは紅茶を飲んでいた。

「水族館、楽しかったね?」

「だね?」

「セイウチは迫力あったね?」

「うん、私怖かった」

「僕はラッコちゃんに会えただけで幸せだなあ」

「あら? 私に会うよりも?」

「ラッコちゃんはラッコ。恵美は恵美」

「意味分かんない」

「神崎さんは退屈でしたか?」

「……………」

征一さんは、進藤さんから話を振られたのに、無言。怒ってる?

「そんな事ないですよ。この人、お魚さんをジーッと見つめてたから。ね?」

すかさずフォローする私。

「ん? 悪い。考え事してた」

「征一さんは、お魚好きなんだよね?」

「まあな。旨そうだなと思って見てた」

「きゃはは。神崎さん可笑しい!」

恵美ちゃんに受けた。今の、冗談だよね?

「ラッコちゃんは食べないでくださいよ」

進藤さんがおちゃらける。

「「イヤだ〜」」

私と恵美ちゃんがハモり、みんなで笑った。正確には、征一さんはニタっとしただけだけど。