「アリア様!アリア様!」
「ん………ル、シア……」
「アリア様!」
苦しそうに目を開けたアリア。
「……あぁっ?!」
「アリア様?!」
「痛いっ!痛い………!」
「アリア様しっかり!先生!アリア様をお助け下さい!!」
「勿論です。王妃様は非常に危険です。階段から落ちた影響で流産の危険がありましたが、怪我もひどい」
「こんなに苦しんでおられるのに何故、何もしないのですか!!」
「しないのではありません。出来ないのです。外傷の手当は致しましたが、この痛みは王妃様が乗り越えねばなりません」
「どういう事ですか?」
医者は答えた。
「王妃様は破水されています。陣痛が始まっているのです。意識を失われている間を考えれば間隔は短い。もう生まれるでしょう。他の者に準備をさせてます。私達には生まれるのを待つしか出来ません」
ルーシアはアリアの手を握り、力いっぱい声をかけた。
「アリア様!頑張って!元気な子を産んで下さい!」
それからアリアの悲鳴に近い声が部屋中に響く中。
新しい命が元気な産声を上げた。

