「アリア様。足元にお気を付け下さい」
「大丈夫よ。いつも使っているのだから。ルーシアは心配症ね。ふふっ………」
「当たり前です」
二人が和やかに談笑し、階段を降りようとした時、ルーシアは何者かに後ろから羽交い締めにされた。
しまった!!とルーシアが思った時にはもう遅かった。
鬼のような形相で走って来たローザはアリアに思い切り体当たりをした。
階段を降りようとしていたアリアはそのまま落下。転げ落ちるアリアをルーシアはただ見ているしか出来なかった。
階段から落下したアリアの体は一番下まで落下し、止まった。
「ア、アリア様ーーー!!」
羽交い締めにしていた者……ナタージュはルーシアを離す。
ローザとナタージュは満足げにその場を去った。
アリアに駆け寄ったルーシアはアリアの様子を見て愕然とした。
頭部からは出血していて意識がない。
そして、足元からはおびただしい出血。
「誰か医者を!!アリア様が!!」
ルーシアの尋常でない叫び声を聞いた者が次々に集まり、ようやく事態の深刻さを理解した。

