その頃、レイリーゼ城にいるアリアは出産を間近に控えていた。
初産で双子なので不安かと思いきや流石ジェイドの妻。肝が据わっている。
不安ではないかと尋ねて来たルーシアに女性なら皆、経験する事。早く会いたい気持ちの方が大きくて不安なんて何処かへ飛んで行ってしまったわ。出産よりジェイド様にお怪我がないか、そちらの方が不安だわ。
と言った。
アリアの側にはルーシアかクロウドが常に付いていた。
本当にいつ生まれてもおかしくないのだ。
そんなある日
悲劇は突然やって来た。
ジェイドの第一夫人ローザがついに動いたのである。
以前からローザ付きの侍女であるナタージュはアリアの身辺をうろついていたが、常に誰か側にいるため手出し出来なかったのだが、ジェイドの子を宿し、間もなく生まれようとしている今しかないと思っていた。
あの小娘!胎児もろとも死ぬがいいわ!
ナタージュと共にアリアのいる部屋の付近に忍び込み、機会を待っている時にアリアはいつも通り教会へ行くため部屋を出た。
この時、クロウドではなくルーシアと共に…………

