二人の戦いは長い間続いたように感じたが実際はすぐに決着はついた。
結果はジェイドの圧勝。
地面に倒れた敵将はまだ息がある。
「………見事な、腕でした。ジェイド王。貴殿は素晴らしい王だ。我が人生に悔いなし!!」
倒れた将軍は剣を手に取り自ら、その人生に幕を下ろした。
「キュリア国軍よ!本来ならば将軍の首をいただく!しかし、この男は素晴らしい。丁重に葬るように!」
ジェイドは愛馬に跨がりその場を後にした。
目指すは城だ。ジェイドの頭の中には一刻でも早くアリアの元に帰る事。
早くアリアの側に戻りたい。
生まれて来る子供に会いたい。
胸にあるアリアの肖像画を押さえ、キュリア城へ急いだ。
その頃、キュリア軍は将軍の遺体を丁重に葬っていた。
戦場に出ず自身の事しか考えない自国の王に比べ敵国であるレイリーゼ王がいかに素晴らしい男か話題になっていた。

