キュリア国付近にそびえ立つ崖の裏にジェイド率いるレイリーゼ国軍がいた。
キュリア国を攻略する為にレイリーゼ国軍は予め調査団を派遣し、キュリア国付近の地形や気候まで様々な事を調査しておいた。
キュリア国はレイリーゼ国程ではないが大国である。
この国は良質な水晶の採れる産地で攻略すればレイリーゼにとって大きな資金源になる。
攻略は必要不可欠なのだ。
「ジェイド様!王妃様より贈り物でございます!」
「ああ」
若い騎士からアリアから届いたものを手渡された。
白い紙で包まれた小箱と手紙だった。
ジェイド様。
あなたが戦場に向かわれてから随分時間が経ちましたね。
この手紙を読んで頂けているという事はきっと無事なのでしょう。
ジェイド様。お怪我はされていませんか?体調は崩されておりませんか?食事はきちんと取られいますか?
とても心配なのに私には無事を祈る事しか出来ません。何も出来ない自分を歯痒く思っております。
どうかお怪我をなさいませんように……
ジェイド様、お聞き下さい。お腹は随分大きくなり最近では私のお腹を蹴るのです。きっと早く出てパパに会いたいのでしょう。
私も早くあなたに会いたいです。
手紙と一緒に届いた小箱を開けると中にアリアの肖像画が入っていた。
椅子に腰掛け微笑むアリア。
レイリーゼを出た時よりアリアの腹部は大きくなっていた。
肖像画を胸のポケットに入れて誓った。

