レイリーゼの重臣達は頭を抱えていた。
規律、ならわしを重んじるレイリーゼ。
悩みの対象は国の王であるジェイドの事である。
ジェイドは生きた宝石と呼ばれる美しい女性を娶られた。
城の人間からも国民からの評判も高く何の問題もない。
しかし王の王妃への接し方に問題があった。
ジェイドには形だけの夫人が三人いるが誰とも夜を過ごしていない。それどころか会いもしない。
27歳になり子供がいない事も問題があり夫人達にジェイドを誘うように指示もしたが全く靡かない。
ようやく自ら選んだ女性を王妃とし、挙式もした素晴らしい伴侶を得て重臣達はレイリーゼは安泰だと喜んだ。
しかし、晩餐中に王妃を必ず隣に座らせ、あろう事か膝に乗せ料理を食べさせたり………
夜を共にしたのはいいが、初夜は湯浴みをし、王妃はバラの香油を体に塗るのがしきたりだったがジェイドはそれをしなかった。
場所もまた問題で王と王妃が夜を過ごす特別な部屋があり、その部屋でなければならない。
ジェイドは自身の私室で過ごしていた。
また王妃の私室を隣にするなど言語道断だった。
要するに問題ばかりを起こしていた。
注意をしても聞き入れる様子は皆無。
他にもあるが語り尽くせないほどに………
重臣達は今日も頭を抱えていた。

