私室のソファーに腰を下ろしていたアリアは自分がまだウェディングドレス姿だと気付いた。







疲れていたから忘れてしまったのね。着替えなくては………




クローゼットを開けた時、扉が開いた。





「ここにいたのか」

「はい。あの……何か?」

「夫が妻に会うのに理由が必要か?」

「いいえ。そうでしたね」







アリアに近付き後ろから抱きしめた。





「今日のお前は最高に美しい。国民の心も掴んだ」

「ありがとうございます」

「お前を選んで正解だったな。知っているか?城下でどんな話で持ち切りか」

「いいえ」

「ジェイド王は生きた宝石を手に入れた。世継ぎが楽しみだとな。俺には子供すらいない。アリア、お前が俺の子供を産め。お前が産む子供はさぞ美しいだろう。何人いてもいい」

「………。」






ジェイドはアリアとの間に沢山の子供が欲しかった。



子供なんかいらないと思っていたが、俺とアリアの子供なら欲しい。きっと愛せる。






世継ぎを産むのは王妃として果たさなければならない役目……頭では理解しているわ。



私はただ子供を産む為の道具なのでしょうか……?