アリアは自分の容姿を賞賛されるのが苦手だった。
それは褒められるのは嬉しいが……苦手なのだ。
アリアは幼い頃から母親から良く言われていた事がある。
アリア。あなたはとっても美しいわ。
成長するにつれて、あなたを手に入れようとする男性も多いでしょう。
だけどね、よく聞きなさい。あなたの容姿を愛してくれる男性ではいけません。あなたの良い部分も悪い部分も全て愛してくれる男性と一緒になりなさい。
母親にそう言われていたのだ。
ジェイドはアリアの容姿を愛したのではない。その強く、優しい心に惹かれたのだ。
だが今のジェイドの言葉を聞いてアリアは傷付いた。
お母様。私はお母様との約束を破ってしまいました。
私の全てを愛してくれる人と一緒になるように言われていたのに………。
………いいえ違うわね。最初から愛のない結婚だったのよね……。
家族の皆とフローランを出る時にお別れの挨拶すら出来なかったわね。
お父様、お母様、お兄様、お姉様。お会いしたいです。
本当はレイリーゼに来たくはありませんでした。
叶うのならばフローランに帰りたいのです。
ジェイドからすれば賞賛しただけだ。
しかしアリアの心に深い影を落とした。

