アリアは助けてくれたジェイドに少しだけ恐怖心が和らいだ。
歳も離れていて大柄で威圧感のあるジェイド。最初に出会った時、結婚を強要されてからアリアにとって恐ろしい人物であったのだが、ふと見せる優しさにジェイドという人間が分からなくなって来ていた。
「あの、夕食はどうされるのですか?」
「夕食は騎士達が作る事になっている。野宿の時は当たり前だ」
「私もお手伝いさせていただけませんか?」
「アリアが料理?」
「得意なのですよ」
「いや、そんな事はさせられない」
「お手伝いしたいのです。フローランにいる頃も何でも作っていましたから」
「アリアがしたいのならすればいいが……」
「はい!ありがとうございます」
去るアリアの後ろ姿を見送るジェイド。調理場所が見える位置に移動をしながら見守った。
アリアの出現にあわてふためく騎士の様子がなんとも滑稽でおかしかった。
アリアは意外にも料理が上手かった。手際もよく申し分ない。
味も文句なしによかった。
因みに出された料理はフローランの家庭料理で牛肉の煮込んだ後に更に焼いていたのを見た。初めて食べたがジェイドはかなり気に入った模様。
結婚したら、またアリアに作ってもらいたい。

